『旅の宿』
長い旅路の果て。
ようやく宿に着きました…
もう、灯りが入っています。遅い到着になってしまいました…
ロビーで記帳も済ませて、ほっ。
夕食もまだ間に合うそうです…
部屋に案内してもらいます。
そこがいいと思って選んだのだけれど、古い旅館だな…
古い母屋に建て増し建て増ししていったのか複雑な構造になっていて、階段がたくさんあります。
ようやく部屋に着きました。
ここが今宵の一夜の宿り。
さすがに、部屋に入るとほっとします。
ちょっと照明が薄暗い感じだけれど、落ち着いていい感じの部屋です。
右隣が娘たちの部屋。
襖一枚だけで隔てているのなら、お互い気を使いそうだけれど、
間に短い廊下があるので、これはいいな。
娘たちの部屋。灯りなどの感じも、いかにも古めかしい感じで、気に入りました。
こちらが私の部屋でもいいかもしれません。
ちょっと他の部屋も覗いてみようかな。
本当に、かなり入り組んだ構造の宿屋です。元の部屋に帰れるかしら・・・
おやおや。なんだか怪しげになってきました。
こんなところまで入り込んだら怒られてしまうかしら…
ふうん…ここも渋いというか…
昔の宿屋は、こんな安宿でも床の間とかの作りが凝っています。
ここの部屋は狭そうだけれど、装飾品がなんだか気に入りました。
女性が一人、ぽつりと泊まるにいいかもしれない…
別の部屋…
えっ!
ええっ!この部屋も。
床がない!!……
一体、どうなってるの!……
ええっ……
実は、これ。
こういう立体作品なのです。
彼のテーマは、いつも、『旅』です。
こういう古い安宿に泊まりながら…、見て来た光景を平面や立体の作品にしていく…
別のところにも、小さいのが一つあります。
左は作品の障子。右側は、展覧会場となった、旧城主別邸の一室の障子。
斯くして…
わずか一泊の慌ただしい旅は終わりました…
瀬戸内の海よ。さようなら・・・
私はもう67歳。
人生の旅の終わりは刻一刻と近づいていっています…
でも、娘たちがこうして、旅に誘い出してくれる…
もっともっと旅がしたいです。
こんな小さな旅の宿で、ほうっと大きく息をついて、寝転がりたい…
by eveningprimrose45
| 2014-12-23 15:45